フード性悪説アンソロジー 燦々たる食卓

f:id:meshimazu-xxx:20190202195257p:plain

燦々たる食卓 表紙

 

 「フード性悪説アンソロジー燦々たる食卓」は、2018年11月に発刊された総合文芸誌です。

 現在よく取り上げられている「フード」という題材について、余所とは違った視点から向き合うという視点から企画されました。
 美味しい、幸せといった文脈からは漏れ出てしまうフードの情動を、エモーショナルに、またオルタナティブに描いた作品を収集しています。

 漫画、イラスト、小説、短歌、俳句、エッセイ、評論――とさまざまな媒体で、フードについての色んな面を切り取っていく意欲的な一冊です。

 

 ※フード性悪説という言葉を最初に生み出したのは、菓子究家の福田里香氏であり、『食の描写を通じて、生の暴力性、嫌悪感などを訴える主義や技法』を示す意味合いの造語として用いられました。
 当アンソロジーでは、フード性悪説という言葉をオリジナルに、更に恣意的に解釈して、
 〇 食べること自体が悪である・若しくは痛みや悲しみを伴う行為である(他者を殺して取り込むという側面に含まれる暴力性等から)という視点を持つ
 〇 摂食の描写を通じて、人間の負の側面等を描写する
 〇 食べ物が不吉なモティーフとして描かれる
 〇 その他、食にまつわる業に言及する
 ……等、食のオルタナティブな側面に視線を向ける、または表現することを示す用語として使用しています。つまり幸福や癒やし以外のシーンでの摂食についてや、メシマズ描写の魅力、食べること自体の業などについて取り扱ったアンソロジーということになります。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

【目次】
1  ごあいさつ――フード性悪説とは
2  尻毛(漫画)     october 1
3  村野真朱(小説)   われわれは発酵している!
4  石原ユキオ(俳句)  風味Z佳
5  沙世子(小説)    マナの食卓
6  中丘(短歌)     果物売り
7  黒澤蜜(評論)    美食の業を生ききったひと――海老沢泰久『美味礼賛』
8  佐々木紺(評論)   映画レビュー
9  柳川麻衣(小説)   いっぱい食べる君が嫌い
10  村田亀餅(小説)    ロスト・イン・ザ・スーパーマーケット
11  ネムカケス(短歌)  夏の動物園
12  かとう(漫画)    美しい花
13  merongree(小説)  メグレマグレ
14  沙世子(評論)    『冷たい熱帯魚』は「フード性悪説」ではない
15  そのめ(漫画)    デッド・ドッグ・クリームソーダ
14 実駒(小説)      あふれては、光るもの
15 おがわさとし(漫画)  童心
16 イサハヤ(小説)    仏塔
17 メシマズ鼎談――フードと表現
18 正井(小説)      大食い女
19 旭ミコ(俳句)     自死の晩餐
20 かかり真魚(小説)   食はずの姉さん
21 ショートエッセイ――わたしとフード性悪説
22 おわりに

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

基本情報

発  行  2019/11/27

出  版  フード性悪説アンソロジー編集部

企画編集  かかり真魚

編集協力  実駒

装  画  そのめ

単行本(ソフトカバー): 212ページ

f:id:meshimazu-xxx:20190202201307j:plain

燦々たる食卓 裏表紙

 

f:id:meshimazu-xxx:20190202201418j:plain

尻毛「october1」より抜粋

f:id:meshimazu-xxx:20190202201507j:plain

かとう「美しい花」より抜粋

f:id:meshimazu-xxx:20190202201543p:plain

おがわさとし「童心」より抜粋

f:id:meshimazu-xxx:20190202201658j:plain

イサハヤ「仏塔」より抜粋

f:id:meshimazu-xxx:20190202201735j:plain

かかり真魚「食はずの姉さん」より抜粋

f:id:meshimazu-xxx:20190202201827p:plain

鼎談「フードと表現」表紙

f:id:meshimazu-xxx:20190202201855j:plain

鼎談一部抜粋

f:id:meshimazu-xxx:20190202202011p:plain

綴じ込みカラーイラスト1/4